恵比須映像祭

現在、東京都写真美術館にて開催中の「恵比須映像祭――歌をさがして――」にて、友人の佐々木育野監督作品「或る山」が上映されている。次の上映は2月28日(日)。本作は企画の段階から色々話を聞かせてもらっていて、初期ヴァージョンと次のヴァージョンを見せてもらったりもしていた。最終的には初期のものに近いものとなったよう。霊峰御嶽山を主題としたドキュメンタリー映画で、彼自身が山小屋で働きながら、参与観察的に撮影を行っている(そういや、撮影に向かう途中でばったり会ったこともあったなぁ)。御嶽山というトポスを巡る信仰の問題、環境問題、都市と周縁の問題、歴史性などが、断片化された映像と音のモンタージュを通じて倍音のように共振していき、強烈な印象を受けた。またいくつかグッとくるシーンもあって、何度か繰り返し見たように思う。今回の上映には残念ながら足を運ぶことはできないけれども、お近くの方は是非見に行ってください。ちなみに彼は2010年春公開の映画「堀川中立売」の助監督もやってます。

  • 『或る山』 (2008年/digital/8mm→DV/60min)
    • 監督・制作・撮影・編集・出演:佐々木育野
    • MA:渡辺寛志
    • 出演:向井修一 沼田一 山田貴弘 佐々木秀 飯島耕二郎 今村祐司 倉本豊 柳沢清始 他
    • 唄;木曽節 他
    • 引用文献:宮沢賢治「山男の四月」
    • 協力:石室山荘 黒澤館 日本山岳修験学会