日本初期映画のプラクティス――興行・観客・都市――
上田学『日本映画草創期の興行と観客―東京と京都を中心に』刊行記念トーク・ショー
日本初期映画のプラクティス―興行・観客・都市―
- 日時:2012年7月28日(土)18:30〜20:30
- 会場:MEDIA SHOP
- 料金:500円
- ゲスト
- 上田学(早稲田大学演劇博物館招聘研究員・立命館大学客員研究員)
- 司 会
- 松谷容作(立命館大学映像学部・先端総合学術研究科非常勤講師)
- 質問者
- 作者: 上田 学
- 出版社/メーカー: 早稲田大学出版部
- 発売日: 2012/03/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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現代の日本において、私たちは映画館に向かい、映画作品を楽しんでいます。けれども、一〇〇年前の東京や京都でも、同じように人びとは、映画を受容していたのでしょうか?一九〇〇年代の日本映画の草創期については、古くから歴史化の作業が行われてきた。そうした作業は、同時代の日露戦争(一九〇四〜〇五)や国家の発展を重要視し、それらと映画産業の拡大とを重ね合わせ、日々直線的に進歩する発達史の描出であった。
上田学氏の近著『日本映画草創期の興行と観客――東京と京都を中心に』は、そうした単線的な歴史描写に疑問を投げかけ、誕生期の日本映画における映画、興行、観客、都市(東京・京都)の複雑なダイナミズムを同時代の膨大な資料から明らかにしていく。そのとき、日本映画草創期とは、映画の製作、流通、受容のプラクティス、言い換えれば、それらの実践の反復を通じた慣習化とその変容として描かれる。ではその慣習化と変容は具体的にどのようなものであったのか?また現代の私たちの映画経験とどのような関係にあるのか?本レクチャーでは著者である上田学氏をお迎えし、聞き手・参加者の皆様とともにこうした問題を議論していきたいと思います。