東京一日目

一日)東京初日は以前ちょっとだけ書いたように、三鷹にあるジブリ美術館に行ってまいりました。この美術館はご存じスタジオジブリの美術館なのですが、単なるキャラクターを並べただけの子供だましではなく、各種の展示を通してアニメについて色々学ぶことが出来るように仕組まれています。美術館自体がまるで一つの家みたいになっていて、導線が明確に設定されている訳ではなく、「まいごになろうよ、いっしょに」のキャッチフレーズそのままに、むしろ好き勝手にうろうろしているうちに様々な発見をする、というような入り組んだ造りになっています。とはいっても周到に展示は構成されており、大きく分けて二つの構成からなっています。まず入ってすぐの展示室では、動画の仕組みを知ることが出来ます。展示室の最初は宮崎アニメのキャラクターの絵をいくつか見ることができ、いわゆる静止画から始まります。そしてその次はゾートロープ(google:ゾートロープ])とかフェナキスティスコープ([google:フェナキスティスコープ)で、静止画像を動きとして機械的に再生産する過程を見せます。通常、これらは隙間から覗くことによって間欠提示、すなわち見せる見せないを繰り返すことで「動き」を作り出します。いわゆるベータ運動を呼ばれる視覚上の働きです。さらにジブリ美術館ではフェナキスティスコープに改良を加えたものを展示していました。つまり隙間から覗き込むのではなく、プレートにストロボを一秒間に十数回点滅させることによって覗き込み式と同様の間欠提示を行うタイプです。さらにさらにスタジオジブリはこれに改良を加え、立体ゾートロープ*1なるものがありました。通常のフェナキスティスコープが絵なのにたいして立体ゾートロープは絵の代りにフィギアを用いるのです。ちょっとづつ変化が加えられたフィギアが円盤上で猛回転し、そこに一秒間に十八回点滅するダイオードが光を当てる。そうすることで動きが再生産されるわけです。文章で書くと単純な仕組みですが、実物を見ると物凄いです。縄跳びをしたりするのですが、あの細い縄の造形があの回転の遠心力に耐えうる強度を持っていることに驚きます。ですが、何よりあの動きは一見の価値アリです。回転を止めたり光の点滅を止めたりして仕組みを見せてくれるのですが、回転と点滅だけで動き出すフィギアはやはり驚きを見るものに与えてくれます。*2その後には、色々展示が続き、最後には映写機で投影されるアニメで終わる。こうして静止画と動画の関係を知ることが出来るのです。
と、ここまで書いたところでまた大きな地震。んーーーーーー。
展示室の二つ目は「アニメが出来るまで」と言いましょうか。ロケハンから最後のフィルム編集まで。それを宮崎駿監督の私物、机とか本棚とかを交えながらほよほよと見ていくことが出来ます。本棚にマイブリッジの写真集があったのが、最初の展示室を経由したからこそほほ〜って感じでした。おそらく普通に描く時の資料として使ったのでしょうが。他にも映画が見れたりジブリ関係の書籍がつまった図書館があったりと盛りだくさん。個人的にはテラスに置いてあった、豚型蚊取り線香入れ:ポルコ・ロッソVerがツボでした。欲しい。
東京滞在記二日目以降はまた明日。

*1:フェナキスティスコープだと僕は思うのですが、表示はゾートロープになっていました。

*2:一緒に行ってた相方に上記のような仕組みを説明してたら隣のお父さんがやたらと感心して聞いてて下さいました。大人も虜にしてしまいます。