写真

id:nagata:20040407に対するレス。
写真より映画の方が複雑である故に面白いという意見は、ある種その通りかもしれません。しかし、それは一枚の写真、一本の映画を比較した場合においてのみ成り立つのではないでしょうか。街中に溢れているのは映像よりも写真です。

如何にして写真というジャンルにおいて、低コストでローテクな「作者」というのが登場しやすくなったのか、という問題は検証するのにどんなに手間がかかろうとも、結局は「写真」というメディアの(映画やテレビ、その他のあらゆる芸術メディアと比べた場合に相対的に理解されるという程度での)単純さと、それに由来する、関係企業の普及キャンペーンの成功という、既にわかりきってる結論に辿り着くに過ぎないんじゃないだろうか。

おっしゃる通り、「低コストでローテクな「作者」というのが登場しやすい」ゆえに写真をめぐる状況というのは極めて複雑になると思います。この手の複雑さというのはある種のシステム内に納められた映画という産業には見られないものなのではないでしょうか。
加えて。既に分かりきっている結論にたどり着くのではなく、その結論から何が導き出せるのかというのが重要だと理解しています。すなわち「奇異なものであった時代から考察を始める」のは、新たな視覚の態度を提供した(奇異な)写真という新しい眼差しに興味があるからに他ありません。
そもそも別メディアなわけですから、どちらかが面白いという議論は不毛のような気がします。別に写真をやるからと言って映画を見なくなるわけではないしね。