大絵巻展


ゼミの見学会として、「大絵巻展(於:京都国立博物館)」を見に行く。平日の夕方にもかかわらず思いの他混雑していた。展覧会で入場制限を経験したのは随分と久しぶり。館内に入っても絵巻ゆえ、当然ながらぞろぞろぞろと一列に並んで右から左へと順を追ってイメージを追いかけていく。ガラスにへばりついた見物人の列がぞろぞろと移動していく様はそれはそれで壮観。
ところで、そもそも絵巻物の見方は、左手で押さえて、右手で巻き取りながら、両手の幅で絵巻を広げて見る。それゆえ、イメージが読者の目の前に現れてくる様は書物のそれとは随分と異なったものとなる。現前するイメージが断絶することなく、ゆるやかに繋がっていく。もちろんイメージ間にテクストが介在している場合もあり、個々のイメージが分節されている場合もあるが、ページをめくる、という行為と巻く、という行為の間には受容という点からみると大きな違いがある。絵巻物そのものの大きさ、あるいは背景と人物の関係、テクストの位置、と様々な要素が絡み合ってくるだろうが。
それにしても随分と豪華な展示だった。出展されている作品もそうだが、展示空間の演出が凝っていて、木材で構成された展示ケースが添えられていた。ウェブサイトも大絵巻でドメイン取ってるし。会期は六月四日まで。