赤い月

中西礼原作、常盤貴子主演。(http://www.akaitsuki.jp/index2.html

1945年8月、満州にソ連軍の進攻が始まった。その10年前、主人公・森田波子は夫・勇太郎と共に小樽から満州・牡丹江に渡り、「森田酒造」を満州有数の造り酒屋に育て上げ、栄華を極めていた。3人の子供を持ちながらも波子は、かつての恋人である軍人・大杉に再会すると胸をときめかせ、関東軍秘密情報機関の諜報員・氷室に密かに想いを寄せる、自分の意志のままに生きる女だった。しかしその栄光の日々は、永くは続かなかった。勇太郎の留守中、ソ連軍が満州に攻め込み森田酒造は崩壊。波子は2人の子供を抱え、軍用列車にもぐりこむと、夫の行く先である哈爾浜へ向かう。命からがら辿り着いた波子はそこで日本の敗戦を知る。夫との再会に喜んだのも束の間、勇太郎は波子の元を去る。そして、落胆する波子の前に現れたのは、阿片で全身を蝕まれた氷室だった…。

とりとめて感想も無い映画だけれども、伊勢谷友介が物凄く良かったです。以前是枝作品で見た際にはややいけ好かない感じを受けたのだけれども、本作では、冷徹な演技と情熱的な激しい演技のメリハリが気持ちよい。カメラや監督が扱いきれていないからなのかやや浮いた印象を受けてしまうけれども、自ずと紀里谷和明監督の『キャシャーン』に対する期待はどんどん高まってくる。そんな伊勢谷祐介とは対照的に、常盤貴子は常に躁状態で、エネルギッシュな女性を象徴or啓蒙しようとしているのですが(映画『8mile』と同様、常盤貴子もまた横になるという休息のシーンが無い。性交渉の際にも。)それがまたいまいち煮え切らない。