卒論

卒論提出まであと一月。そろそろ本腰いれて書き込みにかからないといけない。取り上げるのはタイガー立石(別称・立石紘一、立石大河亜)(1941-1998)という作家。彼は絵画、漫画、イラスト、絵本と、非常に多義に渡る活動を見せた。これまでの研究では美術からの見地に立ち、絵画を主軸に研究がなされてきた。そして彼の多ジャンル横断的な活動は単に「器用な」や「多彩な」といった言葉で片付けられてきた。一方で漫画家立石という側面に注目した研究も少なくないが、やはり彼を包括的に捉えているとはいえない。やはり各々のジャンルに分けての考察よりもすべてのジャンルに共通するエッセンスを抽出する作業が必要不可欠ではないだろうか。仮説として現在考えているのは、日本の美術において近代に設定されたジャンルという概念が、いやおうなく抱え込んでしまう無理がそこには提示されているのではないか、ということである。というのも彼の作品群において、例えば絵本において描かれたモチーフが絵画において表れてくることはしばしばあることで、それはコマ割り絵画において顕著である。と、このような観点で書いていこうと目論んでいます。