そして長崎へ
その翌日、日曜日は何とか少し早めに起きて長崎へ。四時くらいに長崎に到着し、いったんホテルにチェックインし、そのまま東松展(@長崎県美)へ。基本的に毎日20時まで空いているので助かる。今回は全作品カラー新作で何枚かの写真では、PCによるデジタル編集を行ったりもしている。カラー以降の東松の写真は、一枚の写真の中に、言い換えれば瞬間の中に「重層的な時間の厚み」を詰め込むというコンセプトが基本にあって、それは例えば廃墟的なもの、さらには痕跡の剥落といったモチーフを撮ることによってなされたりもするし、あるいは東松が以前に撮影した写真との間の、間テクスト的な関係からなされる。それは定点観測的によるものだけではなく、構図や質感の類似性によるものもが含まれる。今回の展示もその域を超え出るものではないけれども、こうした性格ゆえに、新しい作品が展示されるたびにそのバリエーションも増えていくし、「地層的」ともいえる時間の堆積が増すしで眩暈がしてくる。極端な話、一枚の写真を見れば、それまでの東松の写真が次々と頭の中で再生されるわけで、結構疲れる。七時半くらいまで見ていったん宿に戻り休憩。
九時から長崎在住のK君に会い延々話す。ちなみに平目の刺身が美味でした。店を変え結局三時近くまで付き合ってもらう。楽しかったです、ありがとう。二件目の店は、上野彦馬生誕の地の向かいの店。
翌日、10時にチェックアウトし、再び長崎県美へ。前日に抑えたポイント以外のキーワードをノートにとりつつ、結局一時くらいまで鑑賞。電車まで時間があったので、旧市街当りを散歩。やっぱり長崎は歩くだけでも、というよりも歩くことが楽しい。猫多いし。駅に近い、前回来て衝撃を受けた福済寺と、前回見れなかった日本二十六聖人記念館を見て遅めの昼食を取り帰阪。