DOCUMENT THE DOCUMENTARY

ひきつづきドキュメンタリーを整理。点と点が繋がっていくのが心地よい。
いろいろこねくり回していて思ったのが、当時の美術動向とはどう関っていたのだろうか?という点。アメリカなんかは早期からギャラリー・システムに写真が取り込まれていたけれど、日本にはスティーグリッツがいなかった。というかそもそも美術だって欧米的――最近使いにくいな、この言葉――な意味ではきっちりとは制度化されてなかったわけだけど。
戦前とか(戦後もか)では、写真は「美術」との伝統との断絶に自らの価値を見出していたわけで、「美術」では無い、という点がモダニズム写真の拠って立つ所ととりあえずは言うことが出来る。

写真、「芸術」との界面に―写真史一九一〇年代‐七〇年代 (写真叢書)

写真、「芸術」との界面に―写真史一九一〇年代‐七〇年代 (写真叢書)


で、日本において「美術」と写真との交流は70年代の中平の活動――71年のパリ青年ビエンナーレ参加とか――まで無かったってことが述べられているけれど、自分の研究からいうと65年には東松照明が「イラスト」を作成してたりする。「イラスト」といっても人間魚拓的(人拓)なものらしい。つまりはイブ・クライン的なものだろう。作品はまだ見たことは無いのだけれど。また、インスタレーション作品を作成しギャラリーで発表してたりするらしい。こういったものを発掘する作業はまだまだ必要。