総合演習
今日は雨。午前中はゆっくり休んで午後から総合演習。今日の発表はゴシック建築、上方役者絵、三越の最初期の美人ポスター三本立て。
ゴシック建築に関する発表は、これまでのゴシック建築に関する先行研究が、技術的側面の発展と、精神的意味の解釈という二点において成されてきたことを指摘。その上で、両方の地点から改めて解釈しなおし、「直視の欲求」という共通の根を持つものとして結論付ける。
上方役者絵の発表では、上方における役者絵における似顔において普遍的な特徴を抽出しようというもの。特徴というものを考える際に、当然ながら相対的な思考というのは必須なのだけれど、今回の場合のように江戸と上方を比較するのであれば、互いを比較することだけでなく、ある基準というものを暫定的にであれ設定することが大切なのだと思った。
次の三越の美人ポスターについての発表は、三越が作った美人画ポスター――看板絵と当時は言ったらしい――を分析。先行研究が通史的な事実の記述に終始していたのに対して、画像分析を行うことで視覚的特徴を捉えて、三越が<高級感><新しさ>というイメージを創出しようとしたことを指摘。上方役者絵の発表と同じように、イメージの比較・分析というのが重要になる。先生も指摘されていたのだけれども、技法のレベル、主題のレベル、様式のレベルを混在させて比較してはならない。どのレベルにおいて比較するのかを常に気にしなければならない。