視覚的無意識
id:mika_kobayashi:20041020さんの「デジオ+写真 犬の遠吠え/犬の写真」で話題になっていたことなのですが、ICレコーダーを持ち歩くと普段よりも聴覚を意識するっという現象が起こるそうです。なるほどなぁっという感じです。カメラも同じようなことがいえると思うのですが、カメラ・録音機器と視覚・聴覚という関係を考えてみると、ベンヤミンが言うところの視覚的無意識という考え方が録音機器にも適用可能だということが気づかされます。視覚的無意識というのは、人間の視覚がものを見る際に取捨選択をしているのに対して、カメラはそれをせず、レンズに入り込む光を全て非選択的に写しこんでしまうわけです。それと同じように録音機器もまた人間の意識が選択しなかった音波もまた同様に拾い取ってしまうわけです。このようなことはよく言われていることなのですが、そのような記録機器が、それを持つ人間に影響を与えるというのは面白いと思います。つまりカメラが写し取るようにして眼が周りを見る。普段は視覚的なノイズとして捨ててきたものが見えてくるようになる。同様に普段文字通りノイズとして捨ててきたものが聞こえてくるようになる。機械を使っているのか機械に使われているのか。むしろ共犯関係にあるように考えいますが。