写真修復に関してちょっとだけ。
昨日の研究会での写真修復の発表によると、写真修復の基本的な心構えというのはあくまでも「オリジナル」に近づける(即ちその写真の本来的な状況にまで状態を持っていくこと)ことを目指していない。基本的には現状維持というのが一つの指針となって修復のプランを立てるそうだ。このような考え方というのは決して写真に限るものではなく、基本的にあらゆる修復作業における態度として規範となっている。それは即ち国際博物館会議(通称「ICOM」)の定めた基準にのっとったものなのである。つまり制作当時から現在までの時間の経過というのもその対象が持つ一つの要素として考えるわけ。