ノイズレス
京都近代美術館にて「ノイズレス 鈴木昭男+ロルフ・ユリウス」を見て(聴いて)きた。不思議な感覚にとらわれる展覧会で、入ってすぐ、ドミノ倒しのように横たわったプレート群、奥にはモニターには定点カメラで捕らえられた水際の映像、どこからともなく聞こえてくる鳥のさえずりや水温、時として人工的な尖った音がそこに被さってくる。微少な音や無音状態によって聴覚が以上に研ぎ澄まされ、と同時に他の感覚もまた妙に鋭くなってくるのがわかる。聴覚と視覚がオーバーラップし、音を見、色を聴くかのような感覚に捉われ、普段は決して意識されることはない床のじゅうたんの柔らかさまでもが強烈に身体にまとわりついてくる。17時から20時までの公開ということで、できれば閉館ぎりぎりの春の宵もふけた時刻に行けばまた情緒も格別であったろうに、明るい時間に足を運んだのが惜しまれる。