蝋人形と映画館

国立国際美術館へ。「ベルギー王立美術館展」と杉本博司「様々なる祖形」を見たのち杉本博司の講演会。講演会はこれまで彼が行ってきた活動を展覧会を中心に振り返りながら、それぞれの作品の撮影ノートや当時の状況など、裏話を豊富に含んだ非常に情報量の多い講演会だった。「ベルギー王立美術館展」は、講演会までの時間があまり余裕なかったため、駆け足でざっと見て回った。先日のCatherine Groutさんのシンポジウムで挙げられていたピーテル・ブリューゲル(父)《イカロスの墜落》が冒頭に飾られていたこともあって、身体と風景といった感じで見てたのだけれど、たまたまかもしれないが、今回展示された作品の多くは身体(人間)が描かれている。人間が立ち入ることのできない崇高な自然の表象というよりは、むしろこちらと地続きの世界の表象といった風景画が散見された。機会があればもう一度時間に余裕を持って見に行きたい。