文化博物館

展示は、京都が山に囲まれ、その中心を川が流れ、南には池がある、という風水に応じて選ばれた土地であることを示すホログラフィで始まる。そして、平安文化、武士の時代、町人文化といった変遷を経て都市としての京都を示す前半部で第1部が終わる。そして通路を挟んだ後半部は、近代化し現代へ至るまでの京都の歴史が並ぶ。興味深いのが個々の展示方法。ひな壇上の台の一番下の段には、絵巻や屏風の写しが解説と共に展示される。その上の段には絵に関連するゆかりの品や模型が置かれる。展示を見るために下げた目線を挙げ、壁面に目をやると、現代の伝統工芸作家が作成した工芸作品が展示されている。鑑賞者は、導線に導かれ歩みを進めながら、何も無い盆地から都市が興るまでを、そして過去を表象する個々の展示を見ながら、常に現代との繋がりを確認していくこととなる。こうして現代の京都と、「古都」が一つの繋がりの中にあることを表象していると言える。