エコール・ド・パリ

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美術史学会へ行くつもりが起床した時点で間に合いっこない時間。ということで、兵庫県立美術館で開催中の「エコール・ド・パリ展」を見に行く。今日と明日は関西文化の日らしく、常設展が無料で見れるそうな。だからなのかはわからないけれども、あいにくの天気にもかかわらず、それなりの混雑具合。
20世紀前半に世界各国から芸術家たちがパリのモンマルトルやモンパルナスに集い、芸術活動を展開した。その総称としてエコール・ド・パリという言葉が使用されるわけだけれども、出身国も画風も異なる彼らは、何かしらの共通原理としての理論を展開したわけでもなく、フォービズムとか印象派みたいにグループ展を開いていたわけでもない。一つの芸術的な流派というよりはゆるやかな人的な結びつきを指す言葉といったほうが良いかもしれない。そのようなエコール・ド・パリを本展では、プリミティヴィズム、母性、風景(プロヴァンス)、子供、人物といったキーワードで分類し展示する。エコール・ド・パリの作家たちは、民族性・土俗性、原始性を志向し郷愁を抱えた表現を行った、といった内容なのだけれど、そのような志向性を要するに至った20世紀前半における西欧という背景は触れられていない。その一方で当時の「華やかな」パリの様子を写真展示などで展示しており、「芸術の都パリ」といった、ある意味通俗化しているパリ像を強化するような展示だといえる。どことなく観光産業と展覧会が結託しているような印象を受けてしまう。