富本憲吉

先日、お借りしていた図録を返すついでに、京都国立近代美術館で開催されていた、富本憲吉展を見てきた。面白かったのは、支那籠に芥子の花が二輪入れられている意匠が施された絵皿が展示されていたのだけれど、その下絵が軸装され参考作品として並べられていた。その絵がものすごくアンバランス。一輪の花が籠を飛び出しているのだけれど、それがまた味気なくまっすぐ左へ伸びている。言っちゃ何だけど物凄く不恰好。けれども、皿に描かれた芥子の花はまったく異なって見える。それはなぜかというと、皿のふちがせり出している為、突き出た花が前面に盛り上がって見えるため。当たり前のことだけれども、陶芸は立体なのだなぁ、と改めて思った次第。