三つの個展

id:akfさんに招待状をいただいて、国立国際美術館で明日から開催される展覧会、「三つの個展 伊藤存×今村源×須田悦弘」のレセプションにお邪魔してきた。この展覧会は以前国立国際美術館が万博公園内にあったころから行われてきた、現代の若手作家を取り上げた「近作展」を、三人同時に行ったもの。グループ展というような、一貫した何かしらのコンセプトに基づいたものではなく、あくまでもそれぞれがそれぞれの個展を行っているといった印象。個人的には、以前大山崎山荘美術館での展示が凄く良かった須田悦弘さんに注目。須田さんは、木という素材から、見紛うごとき繊細な彫刻で植物を彫る、という自己言及的な作品を作っている方*1。作家の手から作られる「植物」は本当にリアルで、大山崎山荘美術館での展示では、本物の植物と同じようなところにひっそりとおかれ、それを見つけ出すのが楽しかった。一方で今回の展示では、ホワイトキューブという非常に人工的で無機的な空間の中に展示されており、まったく異なった印象を受けた。作品の安全面の理由で、近づきすぎるとブザーがなるという仕組み。真っ白な壁面の中で近寄りがたく生える植物はある種の孤高さを醸し出していた。展示される環境によってこれほど異なる印象を受けるのも珍しい。
その他の、今村源さんは、冷蔵庫や炊飯器といった日用品に手を加えてオブジェへと変容させる作品を展示。伊藤存さんは、刺繍という手法で文字通りイメージを紡ぎだす。三者三様の面白い展覧会。

【会期】 2006年6月27日(火)─ 9月18日(月・祝)
【開館時間】 午前10時〜午後5時、金曜日は午後7時(入館は閉館の30分前まで)
【休館日】 毎週月曜日。ただし、7月17日(月・祝)と9月 18日(月・祝)は開館、7月18日(火)休館
【一般問い合わせ】 ハローダイヤル 06-4860- 8600
NMAO:国立国際美術館

内覧会後のパーティーでは、展覧会図録に作家それぞれ皆さんにサインをいただくという非常にミーハーなことを。

*1:参照:[google:image:須田悦弘]