霧の中の風景


これに入ってる『霧の中の風景』を図書館で見る。凄かった。ちょっと個人的にテオ・アンゲロプロス月間にしようか。物語のディテールは軽視されており、御伽噺のよう。話は単純で、幼い姉弟が、「父」を求めて旅をする。全体的に曇天、雨、雪のシーンが多く、台詞の少なさを補う饒舌さで、希望や絶望や怒りや悲しみを伝えてくる。けれどもワンシーン、突き抜けるような青空のシーンがある。その青空をヘリコプターでつるされた巨大な手が飛んでいくシーンは、凄い。意味はわからないし、理解も出来ない。ただただやられた。