そして伝説へMother3

さっきクリア。ネタバレあり。
随分とサービス精神旺盛なゲームでした。特にMother2やってる人にはたまらん。
こないだMotherのメタゲーム性について書いたけど、今回でもそれはそうだった。端的に言ってこのゲームは入れ子構造になている。ゲームの中の「ハミングバードの卵」というアイテムとMother3のソフトがパラレルになってる。

「ハミングバードの卵」にはゲーム内の住民の「忌まわしき過去」が詰まっている。「忌まわしき過去」を忘れることによってゲームの登場人物は自ら「登場人物として宿命」を引き受け、それにより集団的にユートピア幻想を秩序付けることが出来ている。ゲームの終盤に置いて、ゲームの登場人物が自ら登場人物としてのその宿命を語る。

そしてこのソフトのメモリーにはゲームでおこったことやキャラクターの運命が保管されている。Mother3以前であるMother2の世界が、Mother3に保管されていて、それがソフトに保管される。

この構造が意識されるのはエンディングに於いてプレイヤーの存在が浮かび上がってくるとき。終末的なカオスの暗闇の中言葉だけが浮かび上がってきて、「こっちの世界(ゲーム)」から「そっちの世界(現実)」へと語りかけてくる。

Mother2ではゲーム世界とプレイヤーのいる世界との行き来が頻繁に行われるし、それはMother3においても基本的にそうなのだが、ただこれまでと違うのは、最終的にMother3ではその交通が断絶してしまうところ。Mother2のエンディングがネスの母親と一緒にネスの冒険を写真アルバムで振り返るのに対して、Mother3のエンディングは「闇」である。その中で「こっちの世界(ゲーム)」から「そっちの世界(現実)」へと語りかけてくる。「はやしだ あらた そっちの世界でも頑張れ!」っと。

そういう意味で続編はもうないかな、と。Mother2から続編を期待され期待されしてやっとでたMother3だけど、Mother3のテーマ「親離れ」だったわけだ。