<読む>
- 作者: 小林美香
- 出版社/メーカー: 青弓社
- 発売日: 2005/07
- メディア: 単行本
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だいぶ前に読了。id:mika_kobayashiさんの著書。一枚の写真、特に日常に氾濫する広告写真や報道(新聞)写真を「あたりまえ」のものとして享受してしまうこと――一瞥するに留まること――は、写真が「事実」と安易に結びついてしまうという特質(photographic truth)故に危険である。写真が読み取られる際に参照されるコードはバルトが言うように「歴史的、文化的に構築されている」ゆえに、<読む>際の拠り所として写真史を持ち出すことは効果的だとおもう。写真に関してだけではないけれども日常において「あたりまえ」に「ふつう」に存在している物が、あるいはそういった認識そのものがどのように社会的、文化的に構築されてきたのかを考えることは必要だろう。本書は写真におけるその実践と言えるだろう。