収集家

影山光洋は、これまで「記録の鬼」という言葉で片付けられてきた感がある。彼は、朝日新聞社の報道カメラマンとして撮影された写真や、自らが銀座等を歩き回り撮りためた写真、あるいは家族の日常風景を撮影した、一般的な意味での家族写真を整理・保存し、それらを一まとめにし、「昭和史」として写真集を発表している。このような撮影、保存、発表という流れを「記録の鬼」としてまとめられてきた。しかし、写真集を見ていると、「収集家」という側面が強いようにも思われる。たとえば、新聞の切り抜き、息子からの手紙、当時のチラシなども同様に「写真集」に並べられたりする。まるで、切符や乗車券を写真とともにコラージュし、旅の思い出をつづる夏休みの絵日記のような印象を受けるのだ。