KITTY.EX

昨日書いたようにid:happyicecreamさんとKITTY.EXに行ってきました。場所は神戸大丸。ドラえもん展と違って今展では海外の作家さんたちも多く参加してましたし、いわゆる美術家・芸術家といった人たちだけでなく、企業さんやファッションデザイナーみたいな人たちも参加してました。チラシによると「参加アーティスト」たちの肩書きはアーティスト、グラフィックアーティスト、グラフィックデザイナー、デジタルクリエーター、デザイナー、ネイリスト、アートディレクター、モデル、女優、ミュージシャン、ペインター、ファッションデザイナー、フォトグラファー、モードイラストレーター、映像/音響アーティスト、DJ、スタイリスト、漫画家、等等。だそうです。何のまとまりもみられません(笑)
似たような展覧会にドラえもん展が少し前にありました。今もどこかでやってるはずですが。ドラえもん展の成功を見て二匹目のドジョウを狙ったともいえる今展ですが、残念ながら僕はドラえもん展ほど楽しめませんでした。ドラえもん展ではきっちり作家とドラえもんがコラボレートできていたと思います。それは恐らくドラえもんというものが作家と鑑賞者の間でしっかり共有されていたのと、ドラえもんが「生き物」であることに由来しているのでしょう。ドラえもんが作品の中で「生きている」といえばあまりに稚拙かもしれませんが、少なくとも「ドラえもん」というものが各作家の中で解釈され提示されていましたし、それを僕たち見る者は好感を持って共有することが出来ました。しかしKITTY.EXの場合、作家たちはキティさんという存在について何も考えていないのか考えられないのか、単純もしくは無邪気にあのデザインを自分たちの作品に記号として取り込んでいるだけでした。キティちゃんがその作品においてそのように提示される必然性を伴っているものは一つとしてありませんでした。キティちゃんを自らの作品に取り込もうと試みても、表情すらない性格もない単なる線と色でしかない猫は作品の表面をスイスイと飛び回るだけなのです。これだけたくさんの肩書きをもつ人たちをもってしても飼いならすことの出来ない恐るべき化け猫(笑)
といっても会場に来ていた大多数の観客たちにとって見ればそこにキティさんが描かれているだけで幸せなようでした。思い入れがあればまた違った見方が出来たのでしょうが僕はまったく思い入れがない*1ので最初から阻害されていたのかもしれませんが。ただ、数多くのサイト、ブログで、アートとしても楽しめたっという感想が数多く見られたのは少々解せないです。

*1:昔好きだった人がキティさん好きだったくらいでしょうか。