石原友明展

昨日のことですが、8月1日まで西宮市大谷美術館にて開催中の石原友明展に行ってきました。

石原友明は1959年大阪生まれ。1984年京都市立芸術大学大学院修了。キャンバスに直接自身の姿を焼きつけた一連の作品で注目を集め、1988年のヴェネツィアビエンナーレ・アペルトに出品。皮を用いた彫刻や点字による絵画など、美術の枠組みを問い直す作品を次々と発表してきました。
近年では、近代的なものの見方を象徴する場所としての美術館や動物園を背景にしたセルフポートレイト、逆説的に世界を暗示する装置としての真空管によるインスタレーションを手がけるなど、新たな展開を見せています。こうした作品で強く意識されているのは、私と世界の境界線、美術作品とそれを見る私たちとの関係性です。アイデンティティ、身体性、リアルな感覚など、周囲との関わりのなかで相対的に浮かび上がる「私」という存在。石原友明は、美術という表現のあり方をとおして、それに向き合う「私」という存在の危うさをも提示しています。
本展では、近作の写真シリーズやインスタレーションなど約20点を展示し、私と世界、虚像と実像がさまざまなイメージのなかで交錯する石原友明の作品世界を紹介します。

一度「self/others」という京都精華大でのシンポジウムの時に石原さんに紹介してもらったことがあるのですが、絶対覚えていらっしゃらないでしょうね(笑)展覧会を一通り見た後、知り合いの学芸員にご挨拶。もう一周一緒に回る。一人で見る楽しみと誰かと話しながら見る楽しみはどっちが楽しいかではなくて違う種類の楽しみです。石原さんの作品は良い意味で表層的な作品だと感じました。*1表面的だとか表層的だとか言う言葉はマイナスの言葉として、(特に美術・芸術という分野では)使用されることが多いですが、表層から以外にどこから何を感じられるのか。

*1:同じようなことを図録で椹木野衣氏が書いてました。