うちのスパイダーマンは休憩中

今日前期日程のレポートをすべて提出してまいりました。やれやれ、ひと段落です。で、さっぱりしたところで、見てまいりました。『スパイダーマン2』を。前作も劇場で見たのですが、如何せん、ラストの旗に飛びつくシーンの印象が当時の僕には悪くてあまり好印象ではなかったものの、今作を見て、びっくり。こんな素晴らしかったんだ!と。期待以上の出来です。もっかい前作を見直そうかな。
さて、今作ですが、ストーリ紹介とかは、はしょります。公式HPでも見てください。相変わらずスパイダーマンが空中を飛び回るシーンは格好良いですが、前作ほどそこはクローズアップされてはいません。今作の主軸となるのは、ピーターという一学生と、スパイダーマンという二束のわらじを履いた年頃の男の葛藤です。スパイダーマンであることと一人の人間、男であることとの一種のダブルバインド。冒頭でピーターが遅刻厳禁のピザ屋でバイトをしているシーンは、ワンシーンで、ピーターとスパイダーマンとの対比を際立たせる描写として象徴的です。スパイダーマンVSピーターという葛藤は理想的に過ぎる結果に終わるわけですが、それまでの葛藤の過程は、前作には見られなかった(と思う)――そういや、半分覆面とってぶら下がったままMJとキスするシーンがあったっけ。あのシーンは今作でもMJが繰り返してます――覆面を取ったスパイダーマンという一種の半人半妖的存在として描かれます。屋根から落ちたり。そして、鉄道のシーンにおいて半人半妖の「彼」を、乗客たちが受け入れるシーンは、なかなか感動的です。ピーターとしては駄目学生として上手くいかず、MJとの恋も煮え切らず、スパイダーマンとしても新聞には悪者扱いで、何より親友に親の敵と恨まれる。こんな「彼」なのに、まるでその両者を受け入れるかのように乗客は彼を優しく包み込むのです。
相変わらずキルスティン・ダンストは魅力に欠けると方々で酷評されてますが、まぁ仕方ないでしょう。ただ、トビー・マグワイアも、ジェームス・フランコも面長だし、画面的には丸顔のキルスティン・ダンストも良いかも、と今回ちょっと思いました。あ、あと、ドクターオクトパスに捕まって振り回されながら拉致される彼女の慌てふためき振り&絶叫振り、恐怖に慄く姿は素敵でした。ちょっとグッときた。そして何より、アルフレッド・モリーナが良い演技してます。『フリーダ』でのディエゴ・リベラ、『アイデンティティー』での精神科医、どれも印象的です。今作、狂気と正気の狭間を揺れ動く科学者で良い味出してます。
ふと思ったのですが、昔ジャンプで連載してた、『究極!変態仮面』の元ねたってもしかしてスパイダーマンでしょうか?何かぱっと見似てますし、似たような技あったような気がしますし。
ジェームズ・フランコ演じるハリーの最後のシーン、意味深ですね。MJとの関係も、スパイダーマンでありながらピーター・パーカーであるという関係にもひとまず理想的な結果が得られた彼ですが、一つ今作で曖昧になっているのが親友ハリーとの確執。さてさてどうなることやら。おそらく完結編だろう、次回作に期待です。グリーンゴブリン.Jrとかありそうですね。そういえばハリーも一時期MJと良い関係でしたし、スパイダーマンとMJとグリーンゴブリン.Jrの三角関係とか、何か青々しくて良いですね、ドロドロしてて。