自問自答2

さて、上に挙げた二つの傾向には決定的な差があり、抽象的にいうならばその「差」の扱いこそが僕が研究対象を決めるに至らない原因であるのかもしれない。そう思ったからこそこんな文章を書いているのですが。つまり、その「差」とは前者が撮影態度に対すものであるのに対して後者は被写体に対するものな訳です。煎じ詰めて言うなれば、「写真」を見るというときに僕は一体何を見ているのだろう?という問い。「写真」ついて語るというとき実際に何を語りうるのだろうか?という問い。確かに「写真」というのは「選択」という行為を通じて撮影者のものの見方を具体化する、と考えられてはいるが、しかし「写真」に関して論じる場合、被写体に関する論に陥ってしまうことが実際多い。反対に撮影方法、絞りとかピント、プリント等に捕らわれすぎてしまうことも方手落ちだと思うわけです。即ち、これら「写真」に関する二種の言説をいかに接続するのかが重要なわけなのでしょう。読み始めた(ほんと今更ですが…)『明るい部屋』がここら変に関して非常に示唆的なので、刺激的です。