前述の

訪巴里中、ポンピドゥーセンターにて開催されていたジョアン・ミロの回顧展には時間の都合上残念ながら足を運べなかったのですが――数多くの作品を見るということと、作品鑑賞における深度を最大公約数的に実現する為にある程度の妥協が必要でした――共に訪巴里したまっさん宅にて昨日その図録を見せてもらいました。日本に於いて観られる多くの図録と異なりテキストの占める要素が非常に多いのが印象的でした。ミロの抽象画は、抽象といいながらも記号的意味を喚起させる「線」が多用され、色によってその線が包まれているようです。彼の描く絵を見ていると、文字というものが本来的には絵に由来していることを思い起こさせてくれます。