右の画は。

篠田桃紅(1913-)という書道家の作品。彼女は水墨にて抽象画とも言うべき作品を多く制作している。西洋文化において古くからテキスト(文字)がいわゆるペンによって、イメージ(絵画)が筆、いわゆるブラシによって描かれてきたのに対して、日本を含む東洋においてはテキストもイメージも毛先がまとまった筆によって描かれてきたことを考えると、篠田桃紅が文字と画との両側面を抽出したかのような作品を描くにいたることは極めて自然のことのように思えてくる。