クォンタム・ファミリーズ

クォンタム・ファミリーズ

クォンタム・ファミリーズ


並行世界を舞台としたSF小説であり、かつ、筆者の仕事とか関心が随所ちりばめられた書き手自身の並行世界であるかのようなSF小説。その一方で、通路が開けてしまった並行世界を行き来する身体、つまり、《いま−ここ》の私が、《かつて−ここ》の私と、あるいは《かつて−あそこ》、《いま−あそこ》の私とが邂逅した際に生起する、なまなましい情動的・身体的反応を描いている。もしかすると、それは写真を視るという経験のなまなましさに近いのかもしれない、などと考えみる。