金魚を視る。

金魚について少し考えてみた。金魚をガラスの金魚鉢にいれ、横から鑑賞すると言うのは、近代日本独特の観賞方法だと聞いたことがある(真偽は定かでない)。金魚発祥の地、中国では池や鉢に入れた金魚を上から観賞するのが通常とのこと。出目金なんかは、支那金魚と呼ばれていたように、やはり上から眺めた方が形の面白さは楽しめるのではないだろうか。上から見る場合、光の屈折によって底が浅く見栄、実際の水深よりも浅く錯覚される。言うなれば上からの金魚観賞はフラットな視覚体験と言える。一方で横からの観賞を考えてみる。一般的な金魚蜂の場合――池田さんの作品では直方体のケースだが――球体ゆえに、水が入れられることによって一種のレンズと化す。それゆえ、中に入れられた金魚は拡大されて歪んで見えるのである。横からの観賞は明治期かららしいが、基本的に金魚は上からの観賞を前提に品種改良がなされてきた。なのに何故横から観賞されるようになったのか。金魚に興味が出てきた。少し調べてみようかな。