映像学会

昨日ですが、映像学会全国大会(於:関西学院大学)に行ってきた。

  • 「『岩波写真文庫』における名取洋之助の編集について」
  • ポストモダン期のロマン=フォトと、フォトジャーナリズムの系譜 -ソフィ・カル、ドゥエイン・マイケルズと、フォト・エッセイ- 」

の二本の発表を聞く。前者は名取洋之助岩波写真文庫においてどのような編集理念を持っていたのかというもの。名取を焦点化するよりも、もうちょっと岩波写真文庫の面白さを伝えて欲しかったというのが個人的な感想。発表を聞いていると、岩波写真文庫は、名取洋之助の仕事というよりも、ある種の啓蒙的な装置として働いていたようだし、そこらへんを取り上げてみると面白いかもしれない。つまり、どういうトピックを取り上げていたのか、という内容に目を向けるとか。特に「写真」という巻とか、組写真で写真を語っているわけだし、どうやってるのか気になる。ちなみに「写真」の次の巻は「レンズ」だった*1。あと、「心理学」という巻があるということだけれども、どういう内容をどうやって視覚化しているのだろうか。
後者の発表は、こちらもテクストと写真について。ロマンフォトを軸に、写真とテクストの変遷を、グラフ雑誌からマイケルズや、カロの「作品」へと繋いでいくもの。結局は、よく聞くような作品解釈に落ち着いてしまっているような気がした。発表者がどういうふうにその作品を解釈しているのか、という点が希薄だったのが残念。

*1:http://www.toranokobunko.com/iwanami1.html