art

秋野不矩展

art

京都国立近代美術館で開催中の秋野不矩展を見てきた。俯瞰によって広い空間を大画面に描く手法は、風景画というよりはむしろ、地理学者の視点に近いかもしれない。それは複数の仏像を正面から描き、それらをフレームの中に並置する手法にも同様の態度が看取…

備考録〜11月末〜12月頭

自分の研究発表の準備と論文指導・相談で忙殺されているけれども色々見てます。 京都ドイツ文化センター共催講演会「ドクメンタ12を振り返って」 2007年11月28日(水) 於:京都国立近代美術館 何かと話題に上るドクメンタ12。そのキュレーターが実際に話をし…

告知

art

id:morohiro_sさんのとことまったく重複してしまってますが、最近いただいた展覧会の告知。 グループ展「small-ness」 出品作家:芳木麻里絵、寺田就子、榎木友香、大島幸代/井浦崇 キュレーター:島本浣 場所:むろまちアートコート(京都市下京区室町四条…

BIWAKOビエンナーレ

art

先月末に見てきたBIWAKOビエンナーレに*1ついて、書くのを忘れていた。近江八幡で開催された今回のビエンナーレは、近江八幡ゆかりの作家を中心に、古い町屋や資料館として利用された古い建物を中心に展示されていた。Genius Loci(ゲニウス ロキ)がテーマ…

未完の過去

art

先日、11月3日と4日の2日間に亘って開催された国立国際美術館開館30周年 記念シンポジウム「未完の過去 − この30年の美術」*1を聞きに行ってきた。このシンポは、「アジア」「サブカルチャー」「ジェンダー」「国際展」「美術館」という5つのセクションを通…

未完の過去

展覧会を見に行った際にチラシで知りました。面白そうなので時間の都合がつけば是非聞きに行きたい。 「未完の過去 − この30年の美術」 11月3日(土・祝)、4日(日) B1階講堂にて 国立国際美術館開館30周年 記念シンポジウム →国立国際美術館 NMAO

現代美術の皮膚

art

先日の日曜日、国立国際美術館で開催中の展覧会、「現代美術の皮膚」を見てきた。アイデンティティを規定するものとしての皮膚を扱ったもの、あるいは支持体として刻印される場としての皮膚、世界と自己が交流する接触面としての皮膚が焦点化された作品群が…

美学会

art

北海道は札幌、10月6,7,8日の美学会全国大会で発表してきました。結局、原爆写真論、写真集論、東松照明論という三つの視座が散発的だったところが致命的な欠陥。反省点は数多くあれ、沢山の人に聞いていただいて感想をもらえたのは、うれしかった。反省の結…

Catch and Release

art

知人から展覧会のお知らせをいただきました。 Catch And Release 2007.9.20.thu〜2007.10.2.tue 西園淳 展 場所:hi-ho - 404 Not Found 『Catch And Release』はブラックバス釣りなどのスポーツフィッシングの用語で「釣った魚を逃がす」こと。今回はイメー…

日常性

結局そのまま某ミーティングへ。約束していた文章は間に合わず。反省。日常性という概念は頻繁に現代美術の中でも、あるいは写真論の中でも登場するが、なかなかとらえどころの無い概念。最近アメリカで、ルフェーブルの再評価が高まっているとちらっと聞い…

藤本由紀夫展 +/−

art

世界陸上の影響で、警察の方々でごった返す大阪へ国立国際美術館へ「藤本由紀夫展 +/−」を見に行く。そう言えば今朝のマラソンでその辺りがコースになっていたのだった。 さて、由紀夫展。「在」ることの過剰が、その過剰ゆえに「無」いに転化したり、「無」…

展覧会告知

いくつか展覧会のフライヤーをいただいたので、告知を。 西家智津子展 CHIZUKO NISHIKE Exhibition animals 2007.8.28 〜 9.9 Kaede Gallery(楓ギャラリー) 昨年韓国に旅行に行った際にソウルで立ち寄ったギャラリーでグループ展を見せていただいて、それを…

介入と違和感

昨日は、気の置けない友人と久しぶりの会食。アーバスの写真の話。介入と違和感の話。先の計画にいろいろと関わらせてもらえそうで、楽しみだ。時間があるときにでもちょっとアーバスについて調べてみよう。 Diane Arbus: An Aperture Monograph作者: Diane …

ダイアローグ

art

滋賀県立近代美術館で開催中の展覧会『ダイアローグ コレクション活用術 vol.2 伊庭靖子、児玉靖枝、佐川晃司、渡辺信明』を見てきた。 個々の作家が「対話」の相手として選択する基準は様々なのだが、それらの作品が平地され展示空間に構成されることによっ…

プラスティック

art

先日、青田真也氏の作品を続けざまに見たこと、きっちり感想を伝えられなかったこともあってここに感想を。これまでの氏の作品の経歴を確認したわけでもなく、ただ今回、二会場での展示を拝見させてもらっただけなので、的外れかもしれないのはご了承を。 氏…

三色の光

art

学校へ行く前に芸術センターで開催中の展覧会、「rgb project展 Color equal Air 光の記憶」を見てきた。三人で一つの展覧会をする、というグループ展とも違う不思議な形式である。いつもの南・北ギャラリーではなく、二階の和室で行われているのだけれど、…

水面に写るもの

art

今日はゼミでの見学会で、京近美の「福田平八郎展」を見に行く。少し早めに行って向かいの京都市美で開催中の「エルミタージュ美術館展」を覗く。 福田平八郎展 | 京都国立近代美術館 大エルミタージュ美術館展 いま甦る巨匠たち400年の記憶 エルミタージュ…

ノイズレス

art

京都近代美術館にて「ノイズレス 鈴木昭男+ロルフ・ユリウス」を見て(聴いて)きた。不思議な感覚にとらわれる展覧会で、入ってすぐ、ドミノ倒しのように横たわったプレート群、奥にはモニターには定点カメラで捕らえられた水際の映像、どこからともなく聞…

蝋人形と映画館

国立国際美術館へ。「ベルギー王立美術館展」と杉本博司「様々なる祖形」を見たのち杉本博司の講演会。講演会はこれまで彼が行ってきた活動を展覧会を中心に振り返りながら、それぞれの作品の撮影ノートや当時の状況など、裏話を豊富に含んだ非常に情報量の…

天と地の狭間で

404 Not Foundを聞きに行ってきた。講演会の趣旨は明快で、「風景」というものを距離をもった視覚的な体験ではなく、「身体」と決して切り離すことの出来ない体験として捉えるというもの。様々な「風景」における垂直水平に対する我々の身体感覚を抽出し、現…

森美術館

art

「日本美術が笑う展」「笑い展」「グレゴリー・コルベール展」の三つを駆け足で。「日本美術」は埴輪から始まり、曾我蕭白、伊藤若冲、河鍋暁斎、池大雅、白隠、等等と続き、円空の彫刻で終わる。笑いをキーワードに日本美術を探る展覧会。何よりも展示の仕…

国立新美術館

art

東京着いてまず、国立新美術館へ。「二十世紀美術探検展」「異邦人たちのパリ展」の二本の展覧会を駆け足で見る。この美術館は収蔵品を持たず、基本的には美術団体の展示のためのスペースとして活用されることになるらしい。にもかかわらずオープニング企画…

個人的メモ

今週末から東京に行く予定なので、みたいもんリストを。 畠山直哉 Draftsman’s Pencil まずはこれ。東京の皆さんとツアー組んで行く予定。 細江英公 名作各種プリント百花繚乱 写美でやってた細江英公展を見れなかったので。是非細江英公のオリジナルプリン…

Taipei Biennial: Dirty Yoga(1)

art

さて、今回の旅で個人的に一番楽しみにしていたのが台北ビエンナーレ。釜山、光州と二つのビエンナーレを昨年の秋に見てきたこともあって、アジア・ビエンナーレ・ラッシュの締めを飾る台北ビエンナーレに足を運べたことは非常にラッキーだった。さて、先述…

BILL VIOLA〜Hatsu-Yume

art

兵庫県立美術館にて開催中のビル・ビオラ展を見てきた。物理的時間と映像的時間のずれた隙間にたゆたう主観的時間。大きな画面内でゆ〜っくりと動く身体の各部位の動きや、それに同調しながら変化し続ける衣服の肌理、あるいは水や炎がまるで物体であるかの…

コタツ

展覧会を見終わったあと、一回にあるスペースで、展覧会のプロデューサーのid:mika_kobayashiさんと談笑。ちょうど人の通り道となっているスペースにコタツが設けられていて、通る人がいぶかしげな眼差しを送ってくるのだけれど、それが妙に楽しい。 ちなみ…

東京へ

まだ具体的な日程は未定だけれど、二月末に東京に行く予定。とりあえずおさえなくちゃいけないのは、畠山直哉展。鎌倉で遠いなぁと思っていたら、ありがたいお誘いを受けて喜び勇んで乗っかることに。あと、今月末からMOTで中村宏展が開催されているので、こ…

台湾へ

今月末、ゼミ旅行で台湾へ行く。故宮博物館の改装が昨年末に終わったということで、見学の運びになったわけ。けれど、昨年の夏、シンガポール・ビエンナーレから始まったアジア・ビエンナーレの流れの最後を締めくくる台北ビエンナーレが現在、台北市立美術…

京都御所障壁画−御常御殿と御学問所−

art

ゼミの見学会で京都国立博物館で2月18日まで開催している企画店、「京都御所障壁画−御常御殿と御学問所−」を見てきた。普段通っている大学のすぐ隣に広大な敷地を構える京都御所。その御常御殿と御学問所の障壁画が初公開。こちらにガツンと迫ってくるような…

「SEEING AS CREATING −〈みること〉 は 〈つくること〉 −」

art

特集展示「スチューデンツ・セレクト −同志社大学プロジェクト科目受講生による 京都国立近代美術館コレクション展−」 同志社大学で今年度から新設された特別科目の受講生が、京近美のコレクションを用いて展覧会を企画したそうです。僕はこの科目に関ってい…